院長のひとりごと

不器用者

2015年03月18日

こうして、無事に自分の役目を終えた時の気持ちを、

なんに例えるとよいのでしょう。

 

昨年東洋はり医学会・札幌中央支部・支部長という

大役を退こうと決意したのは、

まさしくその役を引き受けることになったのと同じ人の

一言でした。

 

引き受ける際の「あなたが、支部長になって再建してくれるといいのに」

その一言で、いったんは解散に追い込まれた勉強会を引き受けたのです。

 

今振り返ってみてもその解散劇は、

晴天の霹靂(へきれき)寝耳に水、衝撃としか言いようのないものでした。

 

その時から、不器用な私の食いしばりが始まりました。

 

ただ、不思議なことに周囲からの応援は日増しにましてゆきました。

それは老年から同年齢、そして若者まで、例えることのできないほどの

温かな心根です。

 

そのことに気がつかせてくれたのが、先に再建を促してくれた彼でした。

 

だからといってその再建のきっかけとなった些細な言葉を、

彼は覚えていてくれたわけではないらしいのです。

 

ただ、昨年大きな東洋はり医学会・経絡脈診イベント、

「指導者夏期国際交流」に

支部員数名が私の推選を基に参加、

そして終了直後、熱気冷めやらぬ会場で、

それぞれが得た成果の言葉をお礼にして述べてくれたのですが、

その中でも彼の感謝の言葉が大きく響き

「引退」をその場で決意したのです。

 

不器用者としてしか生き残れなかったのに、気がつくと

輝きに満ちて次の世代へバトンを手渡した形です。

 

熱く自分たちの「東洋はり医学会・札幌中央支部」を語る彼らに、

一層の未来があることを願ってやみません。

 

かっこいいことを書くなぁと思われる方も、

一度私の生きざまを知ると、尻込みするに違いありません。

それほど痛烈で不器用な道のりでした。

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