院長のひとりごと

小児鍼のお話

2016年11月07日

3年ほど前、転勤で札幌に来られ

それを機に通ってくださっているご夫妻の

一人息子Rちゃんのお話です。

 

5歳になったRちゃんにとって鍼灸は、

当たり前の、

生活の一部としてとらえているような気がいたします。

 

転んで膝が痛いよ、すりむいたよ、から

熱が出た、下痢をした等々、

両親と一緒に、

真ん中のベッドで気持ち良さそうに治療を受けるのが

習慣になっております。

 

・・・・

文化の祝日を利用して、

ちょっとハードな家族旅行に出かけたそうです。

帰宅後疲労回復にと、

お越しくださいました。

Rちゃんも疲れているようなので治療をすることになりました、

いつものようにお任せモードで、

リラックスしています、

 

ところで

土曜日はいつもより

少し込み合うのが通常で、

この日もご多分にもれず、

慌ただしい雰囲気が漂った一日でした。

 

時間に余裕がなく、

小児鍼の準備が間に合いません、

とっさに大人用で代用しようと決め、

ごくごく細い手もとの使い捨て鍼の封を切り、

 

・・・・・

この動作を彼は見逃しません、

Rちゃんの様子に微かな緊張が走ります、

彼のウトウトしていた目がイナトミの手元に集中します、

「おやっ、いつもの鍼じゃないぞ!」

頭の中で

「?????」マークがつき、危険を察知したのです、、

 

イナトミは「みやぶられたかーっ」と思いながらも、

何事もないように、鍼先を指に持ち、

そうです、細い鍼の先を指の中に隠したのです、

イナトミは、

違うよ、違うよ、鍼先じゃないよー、

鍼の頭の方だよーと、

小児鍼と変わらぬ形であることを納得してもらったのです、

 

この間、二人の間には会話はありません、

微妙な空気の流れです、

 

5歳児といえども侮れません、

その後、ちょっとやそっとでは起きない彼でした、

怖い思いをさせたことを大いに反省いたしました。

 

改めて鍼の威力に魅せられたの巻きです、

頭から鍼先までどの部分をとっても治療効果が高いのです、

本日も鍼に感服です。

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