院長のひとりごと

動ける身体を取り戻すために、「痛みを持った患者さんを診る」についてです。

2017年02月27日

「患者さんの痛みを診るのではなく」、「痛みを持った患者さんを診る」どのようなことなのでしょうか、(日経メディカル2015、12)

長年、慢性疼痛の治療は、痛みを完全に取り除くことが重要視されてきたけれど、

しかし本来は、「動ける身体」を取り戻すことにあるんだよということです。

そしてその「動ける身体つくり」は高度な運動設備を持たなくても、

ウォーキング等を毎日継続することも大きな効果があるんだよと言っています。

これは、

運動器疼痛が社会経済に及ぼす悪影響についての問題提起で、

慢性疼痛は運動器という局所だけの問題ではなく

社会的ストレス、家庭内の問題、将来への不安など心理・社会的因子と密接に関連していて

さらに、日常生活活動の制限、

それに伴い運動量の減少し、筋力、免疫力、認知機能の低下や、慢性炎症など様々な健康被害を引き起こし、

健康寿命にも悪影響を及ぼすことになるよ、と述べています。

今後の運動器慢性疼痛の治療は、医療者側が治療法を選択する側ではなく

痛みの発生に基づき患者さん自身が行う治療法へと変わっていかなければならないよ、

そういう治療作戦を組み立てる必要に迫られているんだよ、

そう書かれております。

いつも、イナトミが鍼灸治療の間は患者さんに寄り添い、

終了後は自分管理で身体を守ろうと提案していますが、

これからもこの考えに基づいた鍼灸治療に専念したいと思います。

 

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