院長のひとりごと

忘れられない楽しい思い出話の一つです。

2017年03月15日

少し以前の話です。

季節は夏です、ニセコ町へトレッキングに友人数名で訪れたときのことです。

 

現在この町は、脚光を浴び外国人の居住が目立ち、これからの展開が、投資だけなのか、

それとも本物なのか、クエスチョン風景が広がっています。

 

その騒音も届かない、

高山植物の宝庫といわれている沼地や、岩場を歩き回り、夕暮れにホテルにたどり着きました。

食事の前に汗を流そうと湯船に向かった私たちの目の前で、

繰り広げられた光景が

なんとも楽しく愉快でした。

 

温泉湯の入り口で、

小学低学年の子が、幼稚園児のような子を3名引き連れて、裸で入ってきました。

まるでカルガモの行進です。あきらかに年齢は先頭の子より年下です。

お姉ちゃんらしきその子が言いました。

「いいこと、周りの人をよく見て、真似をするのですよ」

「あっ、おばさん、私たちを見守ってください」

「それからこれは何ですか」

アメニティの中のシャワーキャップを手に持つて、おばさん、すなわち私たちに尋ねるのです。

 

それは私たちがほんの子供の頃に体験してきた普段の学習風景です。

周りの大人をよく見なさい。

私はそう言って育てられました。

 

まもなくその子たちの母親が合流したのを見届けて、ゆっくり自分たちのリラックスタイムとなりました。

 

あのときの、あの子の、自分の立場・何をするべきか・どこに注意を向けるのか・大人にどのように挨拶をして協力をお願いするのか、

気迫にあふれているその姿勢は、湯船の大人たちを一瞬のうちに味方にしていました。

 

さあ、本日も鍼灸師として立ち位置を決めましょう。

 

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