院長のひとりごと

シャクナゲと鍼灸術の育ち方

2017年07月04日

私の所属しております勉強会に、

ガッツのある若者達が門戸を叩いてくれるようになりました。

 

・・・・・鍼灸専門学校入学3ヶ月にして、勉強がつまらない、

自分は3年の卒業後、すぐにも開業したいのだ、

開業できる力を持ちたい、・・・・・・

 

いいなぁ、待ち望んでいた言葉だよなぁ、

 

経絡鍼灸は論理的な学問の上に成り立っています。

なんと大げさなことを、と感じる方もいることでしょうね。

 

日々経絡鍼灸にどっぷり、浸かっている自分は、

その方程式と、その上に成り立つ鍼灸術の、習得のために、

学ぶ時間を、多く設けています。

 

話は変わりますが、

治療院の玄関の脇に、猫の額よりも小さな花壇があります。

春、真っ先に咲くのが、濃いピンク色のシャクナゲです。

このシャクナゲの花は、1ヶ月ほど大輪を咲かせ、心を楽しませてくれます。

咲き終わると木の内に新たなつぼみが作られ、

1年かかって、また、翌年美しい花を咲かせてくれるという成長をゆっくりとします。

咲いている期間は、1ヶ月でも、木の中の成長は、気の長くなるほどです。

これが自然界のあり方です。

 

鍼灸術も、同じ事ですね、

やはり長い長い準備期間を経て、大輪が咲くという事だと思うのです。

 

私は元来不器用もので、学理も、実技もずいぶん時間がかかりました。

 

今、一緒に学んでいる若者たちの覚えの早さには、

目を見張るものがあります。

 

ただ、私が習得するためには、東京に出て行かなければ、

師がおりませんでした。

 

今、仲間が増える喜びと、学習の厚みに、誰彼に感謝せずにはいられません。

いわゆる「切磋琢磨」です。

 

中央から遠く離れた札幌で、シャクナゲの季節は終わっても、

これからの大輪の咲き誇る時がまもなくと、告げているようです。

 

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