院長のひとりごと

摂食障害1

2016年11月19日

11月18日初来院、

現在30代女性、

身長158センチ・体重27キロ

発病10代と長期に亘っている。

 

・・・・

さて

摂食障害には神経性無食欲症と、

過食症があるそうですが、

体質的に消化器の虚弱によるものも、

その類に入るのではないかと考えております。

 

但し、この例は

精神的な異常からの発症ではないので、

治療継続で良好な結果が得られると考え、

昨年1年治療経験をさせていただき、

現在は日常生活が万全とはいえないまでも

営むことが出来、この時点で、

医師の診察・診断という、

流れで、現代医学へゆだねました。

 

医師の診察・診断の変則的な流れについては、

詳しく説明が必要ですが、

この症例につきましては、またの機会にと言うことで、

本日の症例を考えてみたいと思います。

 

本日の患者さんは、先の摂食障害の例から、

医師より、西洋医学と並行して、鍼灸治療も有効ではないかと、

家族と御相談され、鍼灸療院を選ばれたのです。

 

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ところで、患者さんは、

心の病気の典型的なものと考えて、

対応しなければならないと、判断いたしました。

身長158、体重27キロという、容貌、容姿はどこから見ても、

病人です。

 

食行動の異常については、

近年生活が豊かになり、

文化も爛熟する期と同じくしているのだそうです。

 

女性にはやせ願望があり、

自分の意思とは無関係に、

女として体が成熟していく事に、

不安や抵抗があり、

そのために「太った」などの言葉や、

ダイエットを契機に容易に、

女性であることの否定や、

成熟否定が起き、

重症の場合は、極端な痩せと共に、

女性らしさを失ってゆきます。

 

不思議なことに、

骨と皮だけになった体を美しいとさえ思い、

体が小鳥のように軽くなったというイメージの、

快感に酔いしれるのだそうです。

 

この神経性食欲不振症に、

鍼灸はどの様に対応するとよいのでしょうか、

 

治療第1日目

脈診すると、

脈状は病人とは思えないほど、力があり、

虚弱体質のための摂食障害ではないようです。

痩せたいと言う願望だけで、

食べることを拒否している脈状です。

脾経と神経性の経に補的な鍼、

肝にある邪的な熱を、同じく補的に鍼治療、

陽経の胃に補的鍼、陰陽共に補の鍼を行いました。

灸は任脈に3壮行いこの日は終了です。

 

終了後、待合コーナの椅子ですやすや寝入った彼女は、

まるで子供のようでした。

洋服もかわいらしく、おしゃれに注ぐ情熱の強さが、

伺われました。

介護が必要になっても、

おしゃれがやめられないのでしょうか、

 

初めての病症ではございますが、

手に負えないときは、

医師にお戻しすることを条件に、

お引き受けいたしました。

 

どの様な結果となるのか未定でございますが、

命の力強さの脈を確かめながら

鍼灸であたってみたいと思います。

 

どんな報告をあげることが出来るのか、

頑張ってみたいと思います。

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