院長のひとりごと

初診で相性が合わないと感じる患者さんの治療記、

2017年09月11日

週末の夜、治療終了を、ずいぶん過ぎてから、「これから治療に行きたい」と電話があった、

翌日の予約を入れていただいたが、その応対に、不安が広がった。

 

翌日(土曜日)、

 

耳鳴りを訴えるその方は、70歳後半、女性

 

どこへ行って、どんな治療をしても全く効果無く辛い、

電話で感じた通りの展開が始まった。

 

「なんで、耳が辛いと訴えているのに、足にばかり鍼を打つのか、(手にも打っているんですけれどね)」

いったい何をしているのか、

わけが分からない、もっとちゃんと耳に鍼をしてほしい」

 

広くもない治療室の空気がどんより雨模様だ、

待合コーナーの方々が身をすくめているのが伝わる。

 

それでも、隣のベッド5歳男児は、お母さんに付き添われて、ご機嫌で小児鍼の真っ最中、

楽しそうに、絵本を読んでもらっている。

 

騒々しく治療が終わった。

 

「これで終わったなんて言われても、騙されているようだ」

あくまでも、自分が望むようにして欲しいと、訴える。

 

それでは、と、

 

鍼を受けているときの気持ちは、そして身体は如何でしたかと尋ねてみる。

 

「気持ちはとても良いよ、身体も楽だよ、ずっとこのベッドで寝ていたいよ、」

不思議な面持ちで答える。

 

治療室の空気が、穏やかで、いつもの、いこごち良さが、戻ってくる。

 

経絡鍼灸では良くある展開だけれど、

理解していただかなければ、次に繋げない。

 

これから長いおつきあいが始まるのだから。

 

 

 

 

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