院長のひとりごと

突然外出先で、地震の後遺症と思われる方に、鍼を打った話しです。

2018年09月23日

北海道地震から10日たち、

表面的には、

何事もなかったように穏やかさが戻っているような気がしておりました。

 

ところでこの出来事の彼女は、

おそらく札幌市内で、最も大きな被害に遭っただろうと推察される方です。

 

家の前が液状現象で陥没、復旧まで、停電どころではない日々だったそうです。

連日、テレビ局の報道が、朝から晩まで続き、

それより何より、

見物者が、カメラ片手に引きも切らずにやってくるのが、苦々しくやりきれなかった、

心の中をはき出していました。

 

そんな被害に遭わないイナトミでも、

目に見えない不安は続き、時間の経過とともに、

疲労感がまといつくような、しゃきっと感が、戻っていません。

 

それは、20年も続けている、茶道の稽古日でした。

その彼女が、

稽古終いの、水屋へ下がろうとしたときです、

 

突然「ふらふらする」と言って崩れるように、その場に倒れこみました。

次に訴えたのが「吐きそう」でした。

 

成り行きで、

鍼を打つことになってしまいました。

注目が集まる中で、

肝の変動と診て、

応急手当てをし、

10分ほどで終了いたしました。

 

翌朝8時、彼女の様子が心配で電話をし、

古いそば屋を営んでいる、

電話口のご主人に、様子を窺いますと、

そんな騒動があったなど、

誰のことですかぁ、というような、のんびりした受け答えです。

まるで昨夜の出来事が嘘のようです。

 

別れた後の彼女は、そのまま眠り。夜中2時、激しい便意で目が覚め

どっさりと排便をし、そして体が軽くなったそうです。

 

店の仕込み働き最中ということに、ほっとしたことは言うまでもありません。

 

この後も、地震後遺症と思われる方の来院が、続いています。

 

自分の身に起きた体験を

おろそかに考えてはいけないと、肝に銘じ、

 

今なお続いている被災地現場の皆様の一日も早い復興を、

祈らずにはいられません。

 

どうぞ皆様も、これからの日々を大切にお過ごしくださいませ。

 

 

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