院長のひとりごと

日本の鍼灸って地味ですよね、でも、ヨーロッパでの交流が、広がりをみせております。

2019年02月20日

昨年春、ヨーロッパに住む、

女医Nさんから、仕事がらみのお誘いがあり、出かけました。

 

彼女は、小児科専門で、なお、日本鍼灸を取り入れるという、

異色といえば異色のドクターです。

 

日本の小児鍼を学びたいと、

札幌の私の治療院を訪ねてくださったのが、ご縁になりました。

あれから4年の年月が流れ、

いつの間にか、Nさんは3歳と2歳の男児の母親となりました。

 

彼女のお母様が日本人と言うこともあり、

会話は全く支障がなく、はじめは鍼灸のご縁だったはずが、

いつの間にか、私もヨーロッパまで出かけ、

ご家族交えての

親交になりました。

 

ご縁の不思議さは、Nさんが中心の

日本鍼灸技術を学ぶグループとの

交流にも招かれるようになり、

いよいよ、

ヨーロッパから、札幌まで、研修に訪れる方が現れ始めたのです。

 

今回は、

グループ代表Sさん(40代前半 男性)が、真っ先に訪ねてくださいました。

 

Sさんの奥様も、日本人と言うこともあり、

日本に里帰りの機会に、是非札幌まで足を伸ばしませんかと、

お誘いしてみたのです。

 

案外その機会は早く訪れました。

そして秋、

彼の家族4人と、奥様のご両親が一緒に札幌にお越しくださったのです。

 

日本での目的第1は、奥様のご実家への、お里帰り、

そして次に、札幌での鍼灸の勉強会への参加となりました。

 

さて、いよいよ札幌で、顔合わせです。

彼のご家族、6歳、8歳男児、と日本に住んでいる、

奥様のご両親6人で、

中華料理店でご挨拶の食事会が始まりました。

 

初めてお会いするご両親は、幾分緊張気味でした。

 

大手の会社を勤め上げ、最近、退職なさったとのことですが、

まだまだ、お若くいらっしゃいます。

 

きっと、ご両親の胸の内は、

・・・・・・

鍼灸の社会に、こんなことあるはずがない、嘘に決まってる、

娘はだまされてるんだ、

ヨーロッパとの交流など、信じられない、

おそらく、こんな感じで、

頭の中は、疑心暗鬼が渦巻いているようでした。

・・・・・・・

しかし、

娘さんのご主人Sさんは、

鍼灸師として、駅前のビルにクリニックを持ち、

かなりの盛況です。

看板には、

ジャパン、鍼灸クリニックと

掲げています。

それなのに、

日本の鍼灸師なんぞ、信用できん、硬い表情が物語っておりました。

 

時の経つのを忘れて、鍼灸の話に没頭する私たちの会話と

おいしいお料理に、

程なくご両親も、安心されたご様子です。

 

翌日、勉強会そして、その後の歓迎会には、ご両親は出席されませんでした。

 

全ての行程を終え、お帰りになるとき、

ご両親から、

「この話を娘から聞かされたとき、詐欺だと、思いました」そう

告げられました。

そうですよね、

鍼灸師の世界で、ヨーロッパと交流を深めるために、

ご招待して、一緒に学びましょうなんて、

考えられないですよね、

無理もないことだと、

これまでの地味で、その上やっぱり地味なイメージの強い鍼灸社会を振り返りました。

 

交流はこれからも続くよう願っております。

このような交流も、若い鍼灸師には必要なはずです。

 

さっ、

また広がりの世界を目指して、

来る者拒まず精神を失わずに進んで行くと致しましょう。

 

 

 

 

 

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