院長のひとりごと

鍼灸師を選択する前は、振り返るとただの夢見る夢子さんがいるだけでした。

2017年03月01日

大好きなことを仕事にできたらどんなに素敵でしょうか、そして自分にとって大好きなことって何なのでしょうか、

旅をすること、映画を観ること、物語を読むこと、色々なものに興味はあるのですが、振り返ると、すべてが今の仕事のためにあったことのように思われます。

今の仕事に就いたのは一人で生きていかなければならなくなったためです。

鍼灸師という未知の世界に飛び込んだ時、わくわくしたのを覚えています。

患者さんの訴えを前にして、物語を紡ぐ作業をします。

一本の鍼で、その訴えにもっとも適した穴といわれる処を物語風になぞってゆくのです。

私にとって後ろを振り返るとよろよろの何とも頼りない道があるだけですが、

今、鍼灸師として広がる道は、揚々としているように思われます。

そして不思議なことにこの道は子供のころから希望していた道のようなのです。

この道を選んだ状況は随分悲惨でした。誰彼と反対されました。でも自分の中では何の根拠もないのに、

あーあ、大丈夫生きていけると漠然とした自信のようなものがありました。

あの時の一歩を踏み出す勇気は、好きなものだという気持ちのなせるものだったのでしょう。

人間は究極の時に自分に素直のなるのがいいのではないかしら。

鍼灸師という物語を紡ぎながら夢見る夢子さんで終わらなかった自分をほめてやっています。

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